【珍方見聞録】春日部市の地下神殿を激写せよ(埼玉県春日部市/首都圏外郭放水路)
2014年11月某日、フィクサーXより指令が下った。
指令#S1E121: 埼玉県春日部市にある地下神殿を激写せよ
埼玉の東の果てにある地下神殿を激写せよ
時に2005年頃、クレヨンしんちゃんのほか有名なものがこれといって無い春日部に住んでいた私だが、隣接している北葛飾郡庄和町(現・春日部市)に「首都圏外郭放水路」なるものを建造しているという看板が国道16号沿いに建てられていた。
千葉との県境にある江戸川周辺は大雨が降るとしばしば水害が起きることから、地下に水を逃がして江戸川に放流するためのデカい穴を掘ってそこに水を流したろという目的で造られるというその地下トンネルは、そのほどなく後の2006年に知らない間に完成していた。
台風・大雨などによる中川・倉松川・大落古利根川など周辺河川の増水時、洪水を防ぐため流量容量を超えた水を貯留し、江戸川に排水する。そのため、地下河川であると同時に巨大な洪水調節池としての機能がある。この放水路の開通により、洪水常襲地帯であった倉松川流域などで洪水が減少している。
地下トンネルから流れ込む水の勢いを調整するための調圧水槽は、長さ177m・幅78mの広さがあり、59本の巨大なコンクリート柱が林立している。洪水防止のみを目的とすることから、通常時は水を取り込まず空堀状態で、人も立ち入れる巨大な地下空間となっている。この巨大水槽内の空間に整然と太い柱が立ち並ぶ様子は一種の荘厳さを感じさせ、あたかも地下神殿のような雰囲気を持つ。このため、特撮テレビ番組やCM、映画などの撮影にも使用される。
施設の一部については、予約をすれば湛水時以外は一般見学できる。
首都圏外郭放水路 – Wikipedia
この放水路は要予約で一般公開されており、水が無い時は地下のトンネル部分を見学することができますが、 年一回、11月に特別見学会が行われ、予約なしでも地下神殿に入ることができる日があります。
ここ数年は事前申込制になり10月初旬までにハガキで申し込まなければならなくなっているのでご用心。(※2020年以降は不明)
2014年時点では、特に申し込みをせずに当日朝から行けば地下神殿の見学が可能でした。
早速現地へ向かうことにした調査隊
駐車場が無いため公共交通機関での来訪を推奨していますが、当日どう考えても最寄り駅からのバスは超満員になるのが目に見えているので、禁を破って自家用車で現地へ向かい(電車で行くより早いんよ)、1.5kmほど離れた庄和総合公園の駐車場から歩いて向かう。
放水路の地上には広大な芝生の場所があり、その日は彩龍の川まつりというのが行われていました。
地元の人々が露店やフリマを出したり、ダンスやカラオケなどの出し物をしていたり、地元のよく知らないゆるキャラも来ています。
なおフードは売っているもののアルコール類が取り扱われておらず、せっかくのフェスティバルに酒が無いのはどういうことだと同行のW氏は憤慨していました。
早速地下神殿へ向かおうとするも、なかなかの行列が出来ているので一旦スルーし、外郭放水路の要である地下ポンプ室の見学から。
でっかい謎の機械類があったり立入禁止の場所があったり、仕組みを説明してくれる職員の方の話を半分右から左に聞き流しながらスナップ写真を撮りつつ外へ戻ります。
そして地下神殿に潜入
10分おきぐらいに数十人ずつ入場する地下神殿の列もほとんど解消していたので、最後尾に並んでしばし待っていよいよ地下神殿へ。
階段で地下50mまで下ると電波は届かず、明かりは遥か天井にある電灯のみで薄暗い。
巨大なタービンやトンネルを支える柱に圧倒されながら、人が造ったものの偉大さに心動かされながら写真を撮影しました。
モノと人間のスケール感が違いすぎて異界に迷い込んだような感覚になります。
そんな現実感の無い異質な場所なので、ここではしばしばドラマやCM等の撮影も行われており、仮面ライダー、ウルトラマン、戦隊ヒーロー、水樹奈々のPVなどを撮影したそうな。
なんか若い男女の集団がPVみたいのを撮影していましたが、その光景がオタサーの姫みたいだったので同行していたI氏に「あれオタサーの姫かな」と言ったら思ったより声が通っていたらしく全員にコチラを見られましたが、俺が言ったんじゃないぜという顔をしてその場をやり過ごしました。やり過ごせたかどうかは知りませんが。
そして長い階段を登って地上へ。
併設の施設も無料で見学できます
併設されている龍Q館という由来不明な名称の管理棟兼資料館では、放水路の操作室を見学することができ、そこもテレビや映画の撮影に使われているらしい。
廊下の壁には放水路で誰のどんな撮影が行われたかが事細かに貼られており、若干の田舎者感が滲み出ていたり、けったいな龍のCGが出てくる放水路のPVも上映しています。
その後我々は出店でもつ煮やらフランクやらをアルコール無しで喰らって帰りましたよ。
ちなみにその2年後の2016年にも訪れていますが、2014年の時と特に何も変わらなかったのでその後は行ってません。
特別見学会の日以外でも要予約で放水路と予約不要で龍Q館の見学は可能なので、巨大建造物に興味がある方は是非行ってみてください。
記録写真
地点情報
地底探検ミュージアム 龍Q館 (首都圏外郭放水路管理支所・庄和排水機場内)
所在地: 〒344-0111 埼玉県春日部市上金崎720
営業時間: 9:30~16:30
定休日: 月曜日・年末年始
入場料: 無料 (地下神殿見学会の申込はこちら)
電話: (地下見学会) 048-747-0281 / (龍Q館) 048-746-0748
Web: https://gaikaku.jp/
Web2: http://www.ktr.mlit.go.jp/edogawa/gaikaku/index.html
(訪問:2014年11月)