【珍方見聞録】草津熱帯圏・巨大ドームの熱帯を楽しもう(群馬県吾妻郡草津町)

2023年5月某日、フィクサーXより指令が下った。
指令#S6E520:草津温泉に存在する熱帯の記録をサルベージせよ

昭和中期の温泉ブームから始まったバブル遺産

草津熱帯園(くさつ-ねったいえん)……と勘違いされがちですが、草津熱帯圏(くさつ-ねったいけん)が正式な名称です。

なぜ「熱帯圏」なのかは分かりません。
他と被らないようにSEO対策でしょうか。
1970(昭和45)年に開業したのでそんな訳ありませんが、実際「熱帯圏」で検索すると「草津熱帯圏」が最初に出てくるのであながち間違ってもいないでしょう。

いつものウィキ先生から引用しますが、

草津熱帯圏(くさつねったいけん)は、群馬県吾妻郡草津町に所在する、日本で最も高い所にある動物園。飼育する爬虫類の種類は日本一である。
ペット同伴OKの動物園である。温泉熱利用。


1970年10月10日に開業し 園内では亜熱帯や熱帯地方に生息する野生動物達が専用の檻や柵で飼育展示されている。日本の動物園のほとんどが国・自治体・大企業の傘下で運営される中、数少ない民営の動物園である。
皇太子徳仁親王、秋篠宮文仁親王一家などの皇族の方々や芸能関係の方々も訪れた事があり、またテレビにもたびたび紹介される。
過去に一世風靡をしたエリマキトカゲとカブトムシ最大の種類ヘラクレスオオカブトが日本で初めて公開されている。
約250種1000頭の動物を飼育されているがゾウ、キリン、ライオン、トラなどの大型動物や猛獣は飼育されておらず、主に飼育されている動物は哺乳類、鳥類、爬虫類、両生類、魚類、節足動物などが飼育されている。

https://ja.wikipedia.org/wiki/草津熱帯圏

草津温泉の中心から道路距離で700mほどの場所にあり地図上では近く見えますが、山の中でアップダウンがあり少々歩く印象です。
ちなみに草津温泉には伊東園ホテル草津(元・かんぽの宿草津)がありますが、草津の中心街から2km以上あり、草津観光には若干不向きです。

廃を感じるナイスなスポット

入場してみると、今時ちょっと珍しい館長さんの力作であろう手書きの看板が掲げられており、視覚的にも嗅覚的にも昭和の匂いがして、時が止まった場所に入り込んだような不思議な心持ちになれます。

ちなみに私は小学生の時に親に連れられてここに来たことがあると思いますが、もの凄く薄い記憶が残っています。

入場して開館当時からあるであろう色褪せた展示を見たら、野外に出ます。

だいぶ「廃」です。

小屋の屋根はボロボロだし、遠くに見えるドームは大穴が開いて粗めに補修されているし、猿山の猿はテンション低めでその奥に見える建物は朽ち果てて入場禁止になっています。

ゴールデンウイーク直後の平日(当時の会社ではGWは仕事してその後代休を取得)で、私含め数名しか客がいなかったのもポイント高めです。

ドームに入ってみると、中から見上げるとより廃な状態となっており、管理維持の大変さを伺わせます。
草津温泉の熱を利用した蒸し暑いドーム内で、熱帯の動植物・ヘビ・ワニなどを飼育・展示しています。

文章でお伝えするのが面倒なので後ほど下の記録写真を見ていただきたいですが、とても見応えのある内容です。

ちなみに伊豆にある熱川バナナワニ園も同様のシステムで熱を得ていますが、あっちも寂れてはいましたが草津熱帯圏ほどじゃなかったです。

ヒヨコと触れあえるコーナー

ドーム内の展示の後半にヒヨコと触れあえるコーナーがあり、来ていたカップルが「わぁ〜カワイイ!」みたいなことを言い合いながらヒヨコと触れあっていましたが、私は気づいてしまいました。

それはヘビのエサです。

「メメントモリですなぁ……」と呟いて、ちょっとセンチメンタルになりながらヒヨコには触れずにドームから出ました。

その後、くたびれた屋外展示の動物を観たり、お土産コーナーのドクターフィッシュ的な魚(ドクターフィッシュは商標だそうな)に手を入れてみるも無反応だったり、草津熱帯圏を存分に楽しんだ私は草津温泉を後にするのでありました。

綱渡り営業の草津熱帯圏

草津熱帯圏は開業以降たびたび存続の危機に見舞われており(見込み集客と建設・営業コストの計算が甘かったのが原因だと思われますが……)、温泉ブームの縮小により草津も大きく衰退する時期があったり、2011年の震災で客足が遠のき倒産して競売にかけられたり(入札開始前に買い手が付いて営業を続けることができたようです)、コロナ禍で最大のピンチが来たりしたようですが、細々と続けていらっしゃいます。
また2020年にはクラウドファンディングを実施したものの、事務所荒らしに遭い売上金ともども盗まれたりして散々なようです。

寄付金やアマゾンほしい物リストなどで支援を募っているようですので、ご協力いただける方はぜひ。

また草津温泉といえば、何かの温泉ランキング的なやつでトップに君臨し続けており、湯畑周辺の整備や開発を続けて賑わっています。余談ですが、草津温泉の裏風俗は浄化されて無くなったようです。震災前あたりまでは湯畑の近辺にいるタクシーに声を掛けたら怪しい店に連れて行ってくれたようですが、現在はそのようなクエストは発生しない模様。

草津温泉に行った際はぜひ草津熱帯圏にも行ってみてください。
入場料を払って観る価値はあります。

記録写真

地点情報

吹割の滝

草津熱帯圏

所在地: 〒377-1711 群馬県吾妻郡草津町草津286
入場料: 大人1,100円、高校生800円、子供700円
営業時間: 8:30〜17:00
定休日: 年中無休
Web: http://nettaiken.com/index.html

珍見ちゃん
珍見ちゃん

草津温泉は電車が通っていないので基本的に車でしか行けません。
公共交通機関で行く場合は高速バスしかありませんので「草津温泉 バス」とかで検索してみてください♪

※情報は記事アップ当時のものです。現況と異なっている場合があります。

(訪問:2018年5月)

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