【珍方見聞録】八ッ場ダム・68年の時を経て建造された巨大ダム（群馬県吾妻郡長野原町）

2023-06-142023-06-19 0件のコメント

2021年11月某日、フィクサーXより指令が下った。
指令#S6E617：建設計画が中止されたり再開されたりしたダムを見学せよ

68年越しで完成した巨大ダム

取り急ぎウィキ先生から八ッ場ダムの概要を抜粋します。

八ッ場ダム（やんばダム）は、利根川の主要な支流の一つである吾妻川中流部、群馬県吾妻郡長野原町川原湯地先に建設された多目的ダムである。2020年（令和2年）4月1日より運用を開始した。
形式は重力式コンクリートダムで高さは116m。国土交通省関東地方整備局が事業主体である。ダム湖は八ッ場あがつま湖と命名され、神奈川県を除く関東1都5県の水がめ・利根川上流ダム群の一つとなる。
総事業費は約5320億円で日本のダム史上最高額となり、計画から68年を要した。
https://ja.wikipedia.org/wiki/八ッ場ダム

八ッ場ダムの計画は昭和27年（1952年）に立ち上がり、完成までに68年を要するまでに色々ありましたが、ここに書くと長くなりますので各々ウィキペディアの方でよろしくお願いいたします。＞ https://ja.wikipedia.org/wiki/八ッ場ダム

遡ること2001年、当時の長野県知事だった田中康夫の「脱ダム宣言」で長野県内の7つのダム建設が中止されたことが話題になりました。
しかしその後、田中知事が退いて後任の知事がダム建設を再開します。

ダムの建設には、自然の景観を破壊してコンクリートで地形を変える環境負荷の問題と、堰き止められる川沿いの町が水没し転居を余儀なくされるという住民の補償問題があります。
水没する区域に住んでいる人間・動植物にとっては、下流の人々のために自分たちが長年生きてきた住処を奪われることに不公平感があるのは確かでしょう。

色々あって遂には出来上がった八ッ場ダムを目の当たりにすると、色々考えちゃいますね（雑な感想）。

ダムはデカい（当たり前の感想）

駐車場からダムを見下ろすと、堰き止められた人造湖が見えます。
その下には沈んだ町があると思われ、丘の上に新しい町が作られたのが見えます。

小っちゃいボートがありますが、水上ツアーができるのでしょうか。

ダムの上はだいたい歩けたり車が通れるようになっていますが（天端（てんば）というらしい）、そこに行って水が無い方を見下ろすと、遥か下の方に川の下流が見える玉ヒュンの光景が楽しめます。

高さは116mあり、高所恐怖症の方はご注意を。

ダムは生活を守るために必要なものではありますが、

ダムは環境破壊であると同時に、環境保護の側面もあります。
ダムの目的は、渇水に備えて水を溜めることと同時に、増水時に下流が水害に遭うことを防ぐ目的もあります。
現代では発電に利用することも可能です。

元々どのダム計画にも賛成派と反対派がいて、どちらかが譲歩することになるのですが基本的には反対派が譲歩することになります。
譲歩の条件が経済的補償であれば、その金額や住居や仕事などを代わりに用意することになるでしょう。

しかし気持ちの問題である場合が補償が難しく、（「ここから離れたくない」という気持ちは誰しもあるでしょうが）そこと折り合いを付けるのは金額の問題ではなかったり、「下流の都市の人々が得をするのは許せない」という恨み嫉みの感情だったりすると難しくなります。

結局のところ、反対派が全員○ぬまで待つしかないという結論で、八ッ場ダムの計画も時を待った理由はそういうことなんじゃないかなぁ……と思う次第なのです。

幻の資料館「やんば館」

八ッ場ダムのウィキのページの下の方に紹介されている「やんば館」という資料館があったようですが、これは水没予定地に建設されたもので現在では行くことができません。

八ッ場ダムが持つ役割や現状と、水没予定地に住む住民の苦労などを広報する目的で、やんば館が1999年4月30日に長野原町内のダム建設に伴う水没予定地に建設された。
2013年4月27日に営業を終了し、広報センターの機能は同日開館した道の駅八ッ場ふるさと館内に移転した。
https://ja.wikipedia.org/wiki/八ッ場ダム

本来ならここを紹介できれば珍方見聞録になるんですが、もう水没しちゃったので観ることはできません。
無くなってから知る幻のスポットです。

※参考資料：
八ッ場ダムの歴史 – 群馬県ホームページ(河川課)
「道の駅」八ッ場ふるさと館・公式ホームページ