【秘宝館見聞録】高柴デコ屋敷・性信仰玩具道六館(福島県郡山市)
2023年4月某日、フィクサーXより指令が下った。
指令#S6E412:福島県の秘宝屋敷の記録をサルベージせよ
歴史と伝統ある人形の産地に隠された秘宝館
福島県郡山市の中心から約11km、県道を乗り継いで山道を進んだ場所に、高柴デコ屋敷という地域の名産品を売る観光スポットがあります。
郡山市の観光協会にも紹介されている由緒ある観光名所で、「デコ屋敷と呼ばれ4軒の家々が数百年の伝統を守り、張子(はりこ)人形や張子面、三春駒などを作り続け今日に伝えている(郡山市観光協会のHPより)」という。
三春駒(みはるこま・みはるごま)は、福島県郡山市と三春町の伝統工芸品・郷土玩具。
https://ja.wikipedia.org/wiki/三春駒
平安時代の武官・坂上田村麻呂が、793年に蝦夷征討の際に苦戦していたところ、どこからともなく現れた木馬に助けられたという伝説をもとに、子供の玩具「子育木馬」としてつくりはじめたことが起源とされる。この木馬は「高柴木馬(たかしばきんま)」と呼ばれており、「三春駒」という名称ではなかった。
「三春駒」という名称が出てきたのは江戸時代のことで、野生の馬を良馬に改良して藩の産業にしていた三春藩において、改良した本物の馬そのものにつけられていた名前が「三春駒」であった。
しかし、時代とともに、三春には野生の馬がいなくなり、代わりの産業をさがす際、すでに三春とは行政区が分かれてしまっていた高柴村の「高柴木馬・高柴子育木馬」に目を付け、「三春駒」と勝手に名付けてしまったものが全国に広まった。このように三春藩のなごりで三春駒と呼ばれるようになったのは昭和初期~中期になってからである。
デコ屋敷と呼ばれる4軒は住居であり工房であり店舗となっていて、それぞれの家で制作された張り子や木彫りの人形がお土産として売られています。
高柴デコ屋敷に行ってみよう
この日は飯坂温泉の伊東園ホテル(伊東園ホテル飯坂叶や)に宿泊した帰りで、郡山で借用したレンタカーの返却時間まで1時間半ほど。
レンタカー屋に戻るのに30分かかることを考えると滞在時間は1時間といったところ。
辿り着いてみると、広い駐車場に客は私だけでした。
さっそく屋敷を見学させてもらいますが、人の気配を感じない。
まあ私の風体を見てそれらのお土産に興味が無さそうなのを察して接客にも出て来なかったんじゃないかなぁと思いますが定かではありません。
もっとも私の方も部屋に人形の類を飾る気が無くそれらのお土産には興味が無いので、屋敷をおいとまさせていただき、目的地である「道六館」を探します。
坂を登っていくと小さな神社があり、その前を過ぎると出てきました。
性信仰玩具 道六館。
入場料は400円。専用のメダルを買って入館します。
現在はコインの自動販売機が左側も故障しており、メダルをデコ屋敷の彦治民芸で購入するようです。
道六館に潜入
メダルを入れてロックの外れたドアを開けると、中は10畳ぐらいで、前後左右上下に秘宝の数々が展示されていました。
ショーケースには春画や古今東西の(あまり今は無いんですが)エログッズが展示され、奥の方には木のウロが女陰の形をした御神体があります。
その左右で目を惹くネグリジェを着た金髪女性のマネキンがあり、100円を投入すると下から風が吹いてププッピドゥーします。
部屋の中央には跨ぐことができる巨大な男根、これはデコ屋敷の方が制作されたものでしょうか。
座ると子宝に恵まれるという男根付きの椅子、これは漆で加工されてツヤツヤになっていますが人の座った部分は漆が剥がれていて歴史を感じます。
至る所に男○器と女○器が掘られていて、観光客の他、かつては地元住民もこれを見て興奮を盛り上げていたりしたのでしょうか。
祭の夜には村の男女がお面を被って乱○に耽る……などという都市伝説に語られる田舎の風習奇祭は、こういう所から想像されてきたのかもしれません。
実際あったのかもしれませんが。
お土産の自販機では、コンドーム(多分)や四十八手ハンカチなどが売られているようですが売り切れでした。
小箱ながら物量は多く丁寧に並べられており、パワフルなスポットであることは間違いありません。
張り子・木彫り玩具という伝統的な品々を生産販売しながら、これも伝統ある性風俗の資料を収めた館を運営するという貴重な歴史的スポットとなっております。
まさに秘宝館といえましょう。
本業のデコが売れなくても、珍スポを見に来た客がここでお金を落としていくのでそんなに積極的にセールスしに来ないのかもしれないな……などと思いながら屋敷を後にしました。
記録写真
地点情報
道六館(彦治民芸運営) どうろくかん
所在地: 〒963-0902 福島県郡山市西田町高柴舘野
入場料: 400円
営業時間: 10:00〜16:00
定休日: 木曜日
Web(デコ屋敷 彦治民芸): http://dekoyashiki-hikojimingei.co.jp/
※情報は当時のものです。現況と異なっている場合があります。
(訪問:2017年8月)