【珍方見聞録】石巻市震災遺構「門脇小学校」・津波に破壊された小学校（宮城県石巻市）

2023-05-242024-08-25 0 Comments

2023年5月某日、フィクサーXより指令が下った。
指令#S6E525：東日本大震災の津波被害を後世に伝える遺構を激写せよ

石巻市は2011年3月11日の津波で甚大な被害を受けました

石巻市立門脇小学校（いしのまきしりつかどのわきしょうがっこう）は、宮城県石巻市門脇町にあった公立小学校である。
東日本大震災における適切な避難が評価された。

発災当時、全校児童300人のうち240人が校内に残っていたが、地震直後より教師の誘導のもと裏山の日和山に避難を開始した。下校したあとで戻ってきた人数を含めて275名の児童が避難した。

学校のある地区での津波の高さは6メートルを超えた。校庭に停めてあった保護者の車を含め、多数の自動車が流された。
やがて漏れ出したガソリンが引火して校舎は炎に包まれた。
消防庁によると門脇小学校の付近では56,100㎡もの土地が延焼した。また、津波と余震のために消火活動ができず、火災は3日間継続した。
児童たちは4か所の避難所に分かれて生活した。
https://ja.wikipedia.org/wiki/石巻市立門脇小学校

石巻市立門脇小学校は現在「震災遺構」として整備・提示がされています。
2022年4月3日から一般公開が開始された新しい施設です。
津波で被災した正面の教室棟を補強しそのまま展示、元々あった体育館と火災を免れた特別教室棟を改装して展示館としています。

上記の引用部分、3.11以降に何がどうしてどうなったかを、当時の映像付きで詳しく見ることができます。

廃墟と化した小学校

石巻港からほど近く海抜の低い所にあった門脇小学校の校庭には、津波によって流されてきた家々や車が電気のショートやガソリンに引火して炎を上げながら迫り、校舎に燃え移って全焼状態になりました。

その後何年もかけて復興、校庭は瓦礫の置き場所にされたり震災後の混乱の中人々が集まる場所として使用されたりしましたがやがてそれらが片付いてくるにつれ、この場所を小学校としてどうするかという話になります。

校舎は無残な姿のまま残されましたが、解体するか震災遺構とするかで議論され、結果、現在の震災遺構として公開されるに至っています。

崩壊した校舎を外から眺めるだけなら一応無料で観ることができますが、お金を払って展示棟に入ると解説パネル付きの詳細な状態を観ることができます。

丁寧に作られた展示

津波被害を伝える潰れた車両の展示に始まり、最もインパクトのある教室棟の崩壊具合を観覧したあと、特別教室棟では、当時を生き抜いた人々の言葉や感想、3.11当時の映像やラジオ音声を使って「あの時石巻港で何があったのか」を生々しく伝えます。

内部の撮影レギュレーションがどうだったか判然としなかったので（動画・録音は不可）、ブログに掲載してもええやろという感じの所だけ写真をアップします。

展示内容についてこれ以上あまり詳しくは書きませんが、震災から10年以上経って復興の進んだ今だからこそ見せてよいものや語ってよいことがあります。
既に人々の記憶も曖昧で、良くも悪くも誇張されてくる時期です。
犠牲者の方々とまだ生きている方々に対しては思いを馳せながら観覧したいのと、単純に「津波ヤベースゲー」と思っても構わないんではないかなと思います。

被災後の校舎が解体されずに残っている遺構は門脇小学校が唯一であり、合法的に観られる廃墟としてはかなり見応えのあるものです。

猫島観光のついでに行けます

私はその日、猫島として有名な田代島を訪問し、その帰りに門脇小学校に寄りました。

猫島の動画はコチラ
＞ 【珍方見聞録／YouTube】猫島上陸作戦／猫の楽園で何匹の猫に出逢えるか？【前編】（宮城県石巻市・田代島）

朝フェリー乗り場に行く途中にインパクトのあるボロボロの建物が見えたのでついでに寄っただけだったのですが、思いも寄らぬいいスポットでした。
新しい石巻市の観光資源として期待されます。

小学校の両サイドにお墓がズラリと並んでいて、津波被害に遭ったお墓を全部ここに集めてきたのか、3.11で犠牲になった方なのか定かではありませんが、なかなか圧巻の光景で厳粛な心持ちになれます。また津波来たらどうするんだろ。

また、小学校から港の方に向かって広い公園になっていますが、そこはすべて家々が建っていた場所で人々の暮らしがあった場所です。
海なし県から物見遊山で行った私も少々センチメンタルな心持ちです。

これをB級スポットと呼んでいいかは分かりませんが、このまま次の震災も起こらず平和に20年後にもまだやってたら味が出てきそうです。
駐車場が狭くもともと来客数がほとんどないことは予測済みと思われ、管理維持費によっては閉館されることも考えられます。
廃墟部分が吹きさらしなので、劣化は早そうです。

まだアツアツな内にいただいた方がよいかもしれません。