【珍方見聞録】平和大観音・淡路島にあった大観音廃墟(兵庫県淡路市)

2023年6月某日、フィクサーXより指令が下った。
指令#S6E607:淡路島の負の遺産を見物してきた記録をサルベージせよ

平和観音寺…かつて淡路島に存在した寺院・博物館

遡ること2014年、「淡路島上陸作戦」と題して淡路島のナゾのパラダイスを中心に、淡路島をレンタカーで周遊してきました。
ナゾのパラダイスの記録は動画には向かないしブログにするとまた長くなりそうなので、カタチが決まったらいずれ……。

※2023年9月に閉館したことを機に記事を書きました。→コチラ

詳しいことは全部ウィキ先生に聞いたので、この記事は私の意志はほとんど入っていません。
何卒ご了承のほどお願い申し上げます。

例によって概要を転載しますが、

平和観音寺(へいわかんのんじ)は、兵庫県淡路市釜口にあった寺院・博物館。正式名称は「豊清山平和観音寺」だが、宗教法人の認証は得ていない。
土台を含めた高さは100メートル、像自体の高さ80メートルの「世界平和大観音像」は、建造当時は世界最大の像として話題になり、また空撮映像などにおいて、その圧倒的なスケールの大きさが話題になることが多かった。
しかし2006年2月26日に閉館し、その後は管理されず、廃墟となる。
老朽化により、崩壊が進むなど周囲への危険も生じたことから問題となっていたが、相続人不在により国家管理となり、2022年に解体撤去され、消滅した。

https://ja.wikipedia.org/wiki/平和観音寺

Photo by Joseph Yu (CC BY-SA 3.0)
https://web.archive.org/web/20161020012653/http://www.panoramio.com/photo/54877003
chinpoko.comにより色調補正

業界(どこの?)では知らぬ者がいないほど有名なスポットでありますし、廃墟の観音像の内部に潜入した記事もあります。
既に更地になった平和大観音跡地を撮ってきた人も何人もいらっしゃるでしょうし、今さら10年前に外観をちょっと見てきただけの記事をアップしたところで価値はゲゲゲの下です。
それでもよろしければどうぞお付き合いください。

下記に平和大観寺の歴史を年表にまとめました。ウィキペディアに全部載ってますけど。

平和観音寺、始まりと終わり

1982年

不動産事業・オクウチグループの創業者、奥内豊吉により建立。
100メートルの巨大な観音菩薩像が施設の中心となっているほか、敷地内には十重之塔(高さ約40メートル)、五百羅漢像、「自由の女神像」のレプリカ、蒸気機関車D51 828も置かれていた。
観光客誘致目的で建立された当初は、多い日には2000人の来客を集め周囲にも波及効果があったものの、展示内容が異様であり一部好事家らにマニア受けしたのみで、一般観光客や観光業界・地元からは異端視されており、管理の杜撰さも手伝って顧みられることはなくなっていった。

1988年

奥内が死去し、妻が遺志を引き継いで営業を継続。

2006年

妻も死去したことから閉館。閉館後は遺族が相続を放棄。
廃墟となった後は次第に荒廃していく。
アメリカのリーマン・ブラザーズ系金融機関が一時債権を保有するも、世界金融危機によりその後会社更生法を申請したため、別会社へ債権が移行。

2007年〜2008年

競売にかけられたものの、入札者はなかった。
以後は全く管理されておらず、経年劣化によりコンクリートの破片などが周辺に落下するなどのトラブルも発生していたが、複雑な権利関係により撤去は進まず、地元で問題に。

2009年5月

倒壊の危険も出てきたため、対応を協議する機関として淡路市により「世界平和大観音像検討委員会」を設置。

2011年9月

淡路市職員ら50人が内部調査を行ったところ、大観音像台座の出入口は壊され、盗難や雨漏り、腐食などが確認された。
展望台は望遠鏡が倒れ、雨漏りや天井板の剥落などがあり危険な状態であったことから、出入り口の封鎖や十重之塔の屋根に葺かれた銅板の飛散防止対策などが行われた。

2012年ごろ

評価額6億2000万円・関連施設を含めた不動産取得税と登録免許税合わせて4000万円以上で一時売却が進行し、税金の減免についても淡路市から一定の譲歩が引き出されたものの、建築費に由来する高額な税評価額から売却は成立しなかった。

2020年3月

相続人がいないことから、民法の規定により土地を含めて国の所有物となった。
これを受け、4月1日、財務省近畿財務局が、観音像を周辺施設と共に解体撤去すると発表。
2020年度中に塔と山門、2021年度から2か月で観音像をそれぞれ撤去する予定となった。
解体費用は8億8000万円と試算された。

2021年〜2022年5月

解体工事により姿を消した。

資産家の夢の跡

客観的に見ると、金持ちがバブルで儲けてやりたい放題して遺したモノの後始末に、膨大な時間と予算がかかってしまったというお話なんですが、当時もっと儲けてやろうとどんどん手を広げて膨れあがりすぎて破綻してしまった事例を、我々は今の時代になって見ることができます。
日光にあるウェスタン村(2006年から休業)とか。※筆者未訪問)

各地に遊園地やテーマパークの廃墟があったり、温泉地には巨大なホテルの廃墟があったり、かけたコストを回収できずに破綻した夢の跡を垣間見ることができます。
そのほとんどは解体されて今は残っていませんが、かつて有名だった観光地で今は衰退した所は廃墟のまま残されていることも少なくありません。

また、東京でも郊外に行けば潰れたラブホテルやパチンコ屋が残っていたりしますし、それがあった建物や土地に新たな利用価値が無ければそのまま放棄されています。
経営者が夜逃げしたとか、相続人がいないとか、廃墟のまま遺されている理由は色々あるんでしょうが、一つだけ言えることは「誰かがそれを作りたくて作った」ということです。
それは、その人が生きた証だとは思います。

人間は何を成し遂げようと必ず死にます。
が、遺したモノが負の遺産になったら後始末する人々は大変ですね。

そんな負の遺産を見聞して楽しもうとしている人々(私含む)がいて、なんか悪趣味だなぁ……と思ったりすることもたまにはあるんですね。

なんなんだ今日の記事は。

記録写真

地点情報

世界平和大観音像

所在地: 〒656-2334 兵庫県淡路市釜口2457
入場料: 閉業しています
営業時間: 閉業しています
定休日: 閉業しています
Web: ありません

珍見ちゃん
珍見ちゃん

もう行ってもありません!
ところでナゾのパラダイスってどんな所なんですか……?

※情報は記事アップ当時のものです。現況と異なっている場合があります。

(訪問:2014年9月)

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