【珍方見聞録】土合駅〜日本一高低差のある駅に潜入せよ（群馬県利根郡みなかみ町）

2023-03-262024-05-25 0 Comments

2023年3月某日、フィクサーXより指令が下った。
指令#S6E345：群馬にある地下深くに存在する駅の記録をサルベージせよ

「日本一のモグラ駅」と呼ばれる駅

2016年8月11日、初めて祝日「山の日」が制定されたということで、山にでも行こうということで谷川岳に行ってみることに。

もちろん車で。

上越線で新潟方面へ向かうと、水上温泉・湯桧曽温泉を越えた先に土合駅があり、谷川岳天神平スキー場（谷川岳ロープウェイ）の最寄り駅となります。
土合の次の土樽は新潟県で、ここは群馬の果てともいえる場所です。

私が訪れたのは土曜日とあって、車で見物に来る人が多く来ていました。
無人駅なので乗車券や入場券を買わずにホームまでは行くことができ、自由に観光することができます。
電車は一日7〜8本しか無いので、電車が来る瞬間を見られたらラッキーです。

なお電車でこの駅に降り立ってしまうと、本数が少なく帰るのが困難になるので、駅を目当てに来る人はみんな車で来ています。

土合駅の特殊な構造

なぜ下りホームだけが地下に潜っているかというと、かつて上越線は、1931年（昭和6年）に完成した清水トンネルを通る単線の路線でした。
その後、高度経済成長期になると、関東〜新潟を移動する人が増えたことに伴って上越線が複線化されることになりました。
トンネル掘削技術の進歩により、山の中にトンネル（新清水トンネル）が開かれ、このトンネルに下り線が通り、元々地上側ホームにあった線路は上り専用として利用されるようになりました。

そのため、トンネルの間にあった土合駅は、上りホームが地上、下りホームが地下という構造をしています。

当駅最大の特徴は、上下のホーム間が大きく離れていることである。
これは、上越線の複線化の際に下りホームを地下70mの新清水トンネル内に設置したことによるもので、駅舎と上りホームのある地上と下りホームの高さは81mもの高低差がある。
下りホームから駅舎に行くには、ほぼ一直線に伸びる462段の階段（長さ338m）を上り、次いで湯檜曽川と国道291号を跨ぐ143mの連絡通路に設けられた計24段の階段を上る必要がある。
改札口から下りホームまでは徒歩10分程度を要するため、駅員が配置されていた時代には、下り列車については改札が発車10分前に打ちきられ、市販の時刻表にもその旨が記載されていた。階段の中間部付近にはベンチが設置されている。
462段の階段横にはエスカレーターの設置スペースが確保されているが、現在まで設置の予定はない。
https://ja.wikipedia.org/wiki/土合駅

上越線は谷川岳をブチ抜いて線路が敷かれており、土合駅は下りのホームが地下深く70mに存在するという珍しい構造となっています。
なおエスカレーターやエレベーターはありません。階段です。

土合駅は、群馬と新潟を結ぶ上越線の駅でした。
また谷川岳の最寄り駅でもあり、かつては登山客が多数降り立つ重要な駅でした。

1980年代に上越新幹線や関越自動車道が開通して以降は、上越線は主要な交通手段ではなくなりました。
谷川岳にもマイカーで訪れる人が多くなり、現在は一日平均乗車人員20人前後の無人駅となっています。

近年はこの珍しい地下ホーム目当てにやってくる観光客も多いとか。
まあ私もそうなんですが。